大原鐵平
長篇小説
ドラセナの仲間である「竜血樹」という珍しい植物を買った。幹にナイフを入れると赤い血が流れる不思議な木だ。ごつごつした、大人の腕ほどもある幹の先に、濃い緑の葉がちょうどバナナの皮をむいたように何枚も垂れ下がっている。買った個体は高さが2メートルもあり、うちのバルコニーには置けないので、いつも通りビシコに預かって… [more]