序 くだらないものに唾を吐き / 大切なものを手にしてる / そんな目つきをしたくない / マヌーサ / もっとしてほしい / もっともっとしてほしい
大原鐵平
短篇小説
遠くの丘にぽつんと影が見えて、それは虹村さんだった。 真夏の強いコントラストの中に虹村さんは立っていて、何か遠くの方を向いてじっとしていた。白紙のように消し飛んだ空が虹村さんの向こうにあって、彼女はひょっとするとそれを眺めているのかも知れないと思った。僕はそんな虹村さんの後ろ姿に何の言葉もかけられずにその場に立っていた。僕… [more]
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